雑記

患者さんの評価のコツ【新しいことは2つ同時にしない】

先日、心不全の患者さんのリハビリを実習生と一緒に行いました。

患者さんが端座位になっているときに実習生が言いました。

先生、廃用予防のために下肢の運動は行わないんですか?

と。

素朴な疑問でとても良いと思いました。

この場合、答えは【ノー】です。

今回は、【新しいことは2つ同時にしない】という話をまとめていきます。

統合と解釈 現象と原因という視点で考える皆さん、統合と解釈は得意ですか? 先輩PTと後輩PTの間で、こんな会話がありました。 このパ...
  • 今回のストーリー【患者情報】
  • 新しいことは2つ同時にしない
  • 運動器疾患、異性にモテたいときでも考え方は同様です

今回のストーリー【患者情報】

概要がわかる程度にざっくりと説明します。

個人情報の観点からフィクションを含みます。

90才女性

発作性心房細動を契機に心不全が増悪し入院

心不全のコントロールはまだ不十分

入院3日目よりリハビリを開始

初回の離床

フィジカルアセスメント、バイタルチェックをしてギャッジアップ経由で端座位へ

端座位は特に問題ない

しかし、全身状態を考えると今日のリハビリは終了するべき

ここまでが、ざっくりとしたストーリーです。

そこで、冒頭の発言

先生、廃用予防のために下肢の運動は行わないんですか?

と。

新しいことは2つ同時にしない

今回のリハビリでは端座位が安全に実施できるか、心負荷はかかっていないか、ADLは拡大できるのか、などを考えながら初めて離床を進めました。

バイタルなどに問題がなかったため、実習生は【下肢の運動】ということを考えたのだと思います。

しかし、初回に端座位+下肢の運動の2つの負荷を与えて、もし心負荷がかかってしまった場合は心不全を増悪させてしまう可能性があります。

加えて、端座位そのものが心負荷になったのか、下肢の運動を実施していた分の座位時間が心負荷になったのか、下肢の運動自体が心負荷になったのかが分からなくなってしまいます。

初回の離床でしたので、まずは離床が心臓・全身に与える影響だけを評価すべきです。

同時に、2つのことを新たに始めてしまうと離床・下肢の運動のどちらも効果判定ができなくなってしまいます。

運動器疾患、異性にモテたいときでも考え方は同様です

実習生や若手PTは心不全患者を見た経験がない方もいて、イメージしにくかったかもしれません。

しかし、このような考え方は【内部障害特有】のものではありません。

理学療法を実施する上で非常に大切な考え方です。

 

例えば、

足関節背屈制限のある患者さん

背屈制限の理由を下腿三頭筋の伸張性低下と考えたとします。

その場合、下腿三頭筋のストレッチを行う前後でROMを評価しますよね。

1つの刺激や課題を与えたときに前後の変化を評価しますよね。

下腿三頭筋の伸張性低下が原因と考えているのに、下腿三頭筋のストレッチと距腿関節の副運動などの2つの刺激を与えてROMを評価してしまうとストレッチが効果的だったのか?副運動が効果的だったのか?

どちらが効果的だったのか、分からなくなってしまいます。

 

もっと言うと、

異性にモテたいと思って、髪型と服装を同時に変えたらダメですよね。

もし同時に髪型も服装も変えてしまうと、異性にはどちらが効果があったのかが分からなくなってしまいます。

改善するところも分からなくなってしまいます。

モテたければ、髪型?服装?どちらからか変えてみるといいですね。

なんの話だ・・・。笑

統合と解釈 例を交えて3つのポイントを解説しますみなさんは先輩やSVにこんなこと言われたことありませんか? もしくは、 と感じたことはありませんか? ...

このように、1つの事象を評価するときに2つの新しいことは同時に行なってはいけません。

必ず、1つの刺激や課題を与えて、その前後で比較をしてみてください。

この考え方を意識すると、クリニカルリーズニングが今日よりも明日の方がスムーズにできるようになりますよ。

 

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