心臓リハビリテーション

心不全パンデミックとは? 対策はあるのか?

みなさん、心不全パンデミックって知ってますか?

 

急速な勢いで進む日本の超高齢化社会。

そんな中、循環器の領域で話題となっている【心不全パンデミック】についてまとめていきます。

【心不全パンデミック】という言葉を初めて聞いた方、ぜひこのブログをきっかけに【心不全パンデミック】を知って欲しいです。

間違いなく、この数年で【心不全パンデミック】はキラーワードになりますよ。

 

  • 心不全パンデミックとは?
  • 臨床にいて肌で感じること
  • 日本循環器学会の考える対策
  • 我々が個人で出来る対策

 

心不全パンデミックとは?

 

日本は世界でもトップを走る超高齢化社会であり、平均寿命は世界第一位です。

2025年には65歳以上の人口が30.3%、75歳以上が13.0%に達するとされています。

心不全を含む心疾患にかかる患者は増え続けて、2018年には死因の第2位を占めています。

心疾患による死亡数は約20万人で総死亡数の15%にあたります。

また、厚生労働省の「2016年度国民医療費の概況」によると、医科診療医療費の総額約30兆円のうち、循環器疾患が約20%を占めています。

心不全による入院患者数が、2012〜2016年まで毎年1万人ずつ増加しているという日本循環器学会の調査もあります。

心不全患者は高齢者が多いため、団塊の世代に次いで人口の多い団塊ジュニア世代が高齢者となる2035年をピークに、患者数・死亡者数増加・医療費増大・病床不足・医師不足などで医療大生が疲弊する状態を、感染症の爆発的な流行に準えて【心不全パンデミック】と危惧されています。

 

臨床にいて肌で感じること

個人的には2035年どころか、現実にもうそこまで来ているという印象です。

我が国の大規模臨床研究(JCARE-CARD)によると心不全患者の再入院率は6ヶ月で27%、1年で35%と報告されています。

このような調査報告をもとに、当院でも心不全患者の傾向を昔に調査しました。

詳しいことはお話できませんが、ざっくり言うと平均年齢は75歳以上、1年後の再入院率は約18%でした。

全国平均よりも少ないじゃないか?!

とも言えるのですが、臨床にいる身としては心不全が良くなって退院したばかりの患者さんが、またすぐに心不全を再発させて戻って来てしまったという感覚です。

数年後には、循環器内科のベッドが高齢心不全患者で溢れかえる!

なんて言われていますが、まさに肌でその現実を感じ取ることができます。

 

日本循環器学会の対策

日本循環器学会は2019年4月に【心不全療養指導士】認定制度を創設すると発表しました。

心不全の発症・重症化予防の療養指導に従事する医療専門職の質の向上を図ることを目的に、2020年秋以降に試験を実施し、2021年春にも心不全療養指導士が誕生する予定とのことです。

いや〜資格の乱立ですね。

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心不全療養指導士は他職種が基本的な共通の知識を持って療養指導を行うための基盤的な資格で、心不全の知識の提供やセルフモニタリングの指導、内服・栄養管理など包括的な療養指導を行うとしています。

受験者は、同学会の会員・準会員のうち、看護師、保健師、理学療法士など患者指導をする機会のある職種が対象とのことです。

受験時に心不全療養指導に従事していることや症例報告5例の提出、eラーニングの受講も求めるとしています。

同学会としては【心不全パンデミック】に対して、【心不全療養指導士】という制度を作成し、2035年に向けて医療職全体でこの問題に取り組んでいく機運を高めたいのでしょう。

我々が個人で出来る対策

【心不全パンデミック?】【心不全療養指導士?】

そんなの自分に関係ないと思ったあなた。

そんなことはありません。

これは循環器科に限ったことではなく、整形外科に入院したけど心不全を併発しているというケースも増えてくるということです。

つまり、ますます合併症として心不全をしっかりと捉えていく必要があります。

2035年、つまり約15年後にはこのブログを見ている若手PTや実習生たちが、日本のリハビリ業界を引っ張っていく立場になっています。

【心不全パンデミック】は、ほぼ確実に来ます。

そんな中で、社会のニーズにあった理学療法士になれるように、今日から準備していきたいですね。

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