基礎知識

長期臥床 呼吸器への影響

マー君世代の理学療法士です。

認定理学療法士(循環)、心臓リハビリテーション指導士、糖尿病療養指導士の資格を生かして学生、若手PT、一般の方に向けて専門的で分かりやすい情報を発信します。

今回は、長期臥床による呼吸器への悪影響についてまとめていきたいと思います。

その前に、前回の早期離床の目的をまだ読んでいない方はこちらへ

 

早期離床の目的は簡単に理解できましたか?

早速、今日のお話しです。

目次

  • キーマンは「FRC」
  • 横隔膜の運動を阻害
  • パラメータへの影響
  • 知識を得たら実践

キーマンは「FRC」

「FRC=機能的残気量」

言葉は聞いたことがあるかもしれません。

しかし、実際にどのような役割を果たしているのか。

機能的残気量とは「自然呼気の際、肺内に残っている空気の量」=肺のガス交換(ここでは、ざっくり呼吸と同義語で理解してください)に関わる空気の量を表します。

機能的残気量が多いということは、ガス交換(≒呼吸)に参加する空気の量が多いため、体内の酸素量を維持するために非常に有利です。

一方、急性の肺障害などで肺胞が潰れてしまう疾患の場合、機能的残気量が少ないため、体内の酸素を維持するのが難しくなります。

全換気量は姿勢によって変化しないのにも関わらず、機能的残気量は端座位に比べて臥床では約半分になってしまいます。

つまり、ベッドで臥床するということは機能的残気量が半減する=体内の酸素量を維持することが困難になるということです。

横隔膜の運動を阻害

横隔膜は胸腔(胸)と腹腔(お腹)を隔てています。

立位時にはお腹の中にある臓器は重力の影響を受けて下方にいき、横隔膜運動を妨げます。

しかし、臥床姿勢では腹腔内臓器が頭側へ移動するため、背側横隔膜の上に乗り、横隔膜の運動を妨げてしまいます。

簡単に言うと、立ってると横隔膜は良く動いて、寝ていると横隔膜の動きは内臓に邪魔されるよってことです。

寝たきりによる呼吸パラメータの変化

呼吸数・一回換気量

20日間の安静臥床で呼吸数は増加し、一回換気量は減少します。

臥床姿勢の変化によって上半身の血液量が増加し肺の中の血液量は増加します。

つまり、肺の中にたくさん血液があれば、その血液内の酸素と二酸化炭素を交換するために呼吸数増やします。

しかし、臥床していると肺の背中側はベッドで動きが妨げられ、横隔膜の動きも内臓に妨げられますので一回換気量は減少します。

 

全肺気量・努力肺活量・一秒率

これらは安静臥床によって大きく変化しないと報告されています。

知識を得たら実践

A=Bのような、テスト勉強のように暗記をしても絶対に忘れますよ。

理学療法の学問は暗記科目ではありません。

しっかりと理論的に理解することで知識が定着していきます。

そして、知り得た知識は今日からの臨床に生かしていきましょう。

例えば、長期臥床している患者さんを担当している場合

筋萎縮や関節拘縮だけを考え、ベッド上でROMexだけを実施していませんか?

呼吸器への悪影響を理解した上で段階的に離床してみませんか?

ギャッジアップ座位から始めてみても良いかもしれません。

その場合、ギャッジアップは30度以上から始めましょう。

※なぜなら、ヒトはギャッジアップ30度以上で重力の影響を受け始めるからです。

離床することで、呼吸器への悪影響を改善できるかもしれません。

 

いかがだったでしょうか?

今まで「廃用症候群」といえば筋萎縮や関節腔拘縮といった運動機能ばかりに目を取られていませんでしたか?

呼吸器への悪影響を考えると、やはり早期離床、廃用症候群の予防が大事になります。

さぁ、明日からの臨床に生かしていきましょう!

 

この記事が参考になった方は、Twitter(@310_PT_BASE)やInstagram(310_PT_BASE)もやっていますので、フォローよろしくお願いいたします。

 

こちらの記事もおすすめ!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です